ジョイコンのスティックに設計上の問題は無いのか分析する
前回ジョイコンのスティックを交換しましたが、スティックは壊れやすく任天堂の設計を批判する人もいるようなので、その原因と設計上問題があるか究明します。
前回の記事:https://5junklabo.hatenablog.jp/entry/2020/05/22/173708
まず、壊れたスティックを分解します。
分解前のスティック↓
下側↓
上側↓
下側は金属製の外装とフレキシブル基板に分離できました↓
フレキシブル基板の上の銀色の部分は押すとクリック感があったのでおそらくスティックのボタンです。また、以下の写真で基板上の黒い部分は抵抗体でした↓
裏側↓
スティック上側の動作は動画を見てもらえば分かると思いますが、ジョイコンの表面に飛び出している部分を左右に動かすと白いプラスチック部品と金属端子が一体化した部品が左右に動きます。
動かしている動画:https://youtu.be/5GeJ1FAWQaM
これらの構造から、
①スティックを操作すると金属端子が動く
②その金属端子の位置によって抵抗体の抵抗値が変化する
③スティックを押すと基板上のスイッチが押されて導通する
④それらをコントローラ側が認識する
というのがスティックの動作原理であるため、暴走の原因は抵抗体と金属端子の接触不良であると考えられます。
接触不良の要因としては、金属端子の変形(ばね圧の低下)や抵抗体の磨耗等があり、これを防ぐためには
①金属端子と抵抗体の接触面積を大きくする
②金属端子を変形しにくい材料で作る
③金属端子を太くする
④抵抗体を磨耗に強いものにする
等の対策がありますが、①②③は操作が重くなるので現実的な対策としては④ということになります。
任天堂がどんな抵抗体を使用しているのか分からないので④の対策を任天堂が取る余地があるのか分かりませんが、いくら抵抗体を磨耗に強いものにしても金属端子のばね圧が低下すれば動作不良になります。
また、変形を防ぐために枝分かれさせるべきでない金属端子が接触部分で枝別れしている理由ですが、2点で接触するとガリオームが起こる確率を下げられるためであると思われます↓
ですから、任天堂の設計に問題があるというよりジョイコンに組み込めるほど小型で長寿命のスティックを製造することは技術的に困難なのではないかと思います。